Vol. 2 開催報告 アメリカの多様性

Global Talk Forum Vol.2が11月14日に開催されました。

今回のトピックは、”Gender Issues and Diversity in the USA”《アメリカの多様性とジェンダー問題》。
日本に英語の先生として滞在した経験もお持ちのKristin Wilsonさんをスピーカーとしてお迎えしました。KristinさんはNYからの参加です。

日本でも最近よく耳にするようになったジェンダー問題ですが、実際にはどのようなことが問題なのでしょうか?

まず、Kristinさんは「ジェンダーとはいったい何?」と定義を投げかけることから、参加者のみんなへの意識の気づきを促してくれました。
そして、”Gender”とは男性・女性といった単にただ二つの事柄を指し示すのではなく、役割やアイデンティティーなど、常に変化していく多様性であることを基本とし、そこから見ていく現在の問題について考えていきました。

さらに、「Diversity(多様性)とは?」ということについても考えていきました。
こちらもただの人種による区別だけでなく、社会にはさまざまなグループに属するの人々が存在するということです。
その区分は、人種、民族性、性、年齢、社会階級、宗教的または倫理的価値観、出身国、政治的信念など、大きく分けただけでも多岐に渡っています。

そして、世界における女性の社会進出について、詳しく説明して頂きました。
日本の女性の就業率は、72.6%で、世界の就業率52.6%やアメリカの68.9%と比べると、多く感じます。

しかしながら、管理職などの役職に就いている女性の割合を見てみると、Executiveのアメリカの割合21%に比べ、日本は5%とはるかに低い確率となっています。

さらに政治家の人数や賃金格差・またはフルタイムで働く大学教授においても、アメリカ・日本と共に、女性は男性より少ないということが分かりました。

また、昨今のコロナ禍の影響での失業率も女性の方が多いそうです。

こうした現状がある中、日本でも男女共同参画への取り組みとして、「2020年までに、女性管理職の割合を30%程度する」という目標を掲げてきました。(現在、「20年代の可能な限り早期」に先送りされています。)

アメリカでもバイデン大統領が、ジェンダー平等やさまざまな差別に対する取り組みを2021年3月に発表したそうです。

こうして世界が、あらゆる差別を平等にしていくことを目指しています。

ただ、現状ではまだまだ課題は多そうです。

この後、小グループにわかれ日本における男女の役割って何だろう?と話し合いました。すると、「男はこうあるべき」「女はこうするべき」といったこれまで誰もが一度は見聞きしてるであろう固定観念が数多く挙げられました。

ここでJambordにあげられた現状を踏まえて、SDG’sとGender Equalityが目指す目標と世界で起きているジェンダー平等への障壁をKristinさんに紹介してもらい理解を深めることができました。

そして、最後に自分たちが経験してきたジェンダーにおける不平等はどんなことか?また、どうやったら世界や日本での女性の地位を向上させることができるのかを話し合いました。
これは一グループに4名ずつに分かれてのディスカッションです。少人数のため、話す・聞くのチャンスを多く作れたのではないかと思います。

今回のテーマは、世界でも解決が難しい、でも取り組んでいかなくてはいけない大切な問題についてでした。

なんとなく問題を認識してはいても、具体的な取り組みとなるとテーマが大きすぎて躊躇してしまうようなこともあるかと思います。

Kristinさんの詳しく分かりやすい説明で、私たちも問題に対し理解を深め、また今後目指していく取り組みについても身近に考えれるようになったように思えます。

Kristinさん、ありがとうございました!

そして、参加してくださった皆さんもありがとうございました。今回の経験を生かして、より良い未来のために頑張っていってくださいね。

また次回もお楽しみに。

【Global Talk!2021-22】Session-7 Harvard/Brown/Knox ② 合同会議

今までのHarvard/Brown/Knoxの交流の最終として、3校合同会議を行いました。
時差を考慮し、いままでは2回に分けて日時を設定して、どちらかに出席するようにしていましたが、合同での会議のため一度きりの開催です。

このGender Issueを深く考え、自国/他国の状況を理解した上で、今大学生である皆さんが、今回のジェンダーで何を学んだか、何が興味深かったか、お互いに直接意見を交換できる貴重なチャンスです。

”Breakout room1”では、グループに分かれて「ある国や企業のトップの立場と仮定し、ジェンダー問題を解決するために何をするか」、を各グループで話しあい、出た案をJam boardに張り付けていく作業を行いました。

ここでは、「政府のメンバーを若くする」「保育所の増設」「男性の育児休暇・育児参加」「教育を変化させる」など、さまざまな政策が挙げられました。

さらに”Breakout room 2”では、事前に選ばれたKnoxのモデレーターが司会を務めて、国と企業、2つのグループに分かれ、”Breakout room 1”で作られた案を見ながら、優先順位を決め、今後、自分たちが社会に出た時に何ができるか」を新たに考えていきました。

その結果、最優先事項として、国レベルでは「女性向けの奨学金・STEM研究」が、企業レベルでは「企業内で、平等について考える機会(セミナーなど)を設ける」ことが選ばれました。

この合同会議で、Knoxのメンバーもさまざまな学びがあったようで、それぞれの気づきを共有してくれました。

同じ問題であっても、お互いの国で捉え方や報道のされ方が違うというのを知る事が出来て面白かったです!また、コロナの前後で大きく変わっているというのも実感出来て、最新の情報だと思っていても、もう古い情報の可能性がある事が分かりました。今回は、専門的な話を日本語で話せたので率先出来ましたが、英語だと難しいと感じました。相手の学校の人々は、この内容を第二外国語で話していると思うと、凄いです。毎回が、良い刺激になりました!
今回の授業は前回の授業で考えた課題と関連して具体案を考えるものだったので面白かったです。違うバックグラウンドを持つ方々と具体的に政策考えることで自分たちが多文化社会でどのように問題解決をしていくことが出来るのか経験することが出来ました。また、小グループで自分たちがすべきだと思う政策について詳しく話し合ったあと、大グループで自分たちのグループでは出なかった案について知ることが出来たので深くでも多角的に問題について考えることが出来たと思います。
今回のセッションではノルウェー出身の方が同じグループにいました。男女平等世界一といわれるノルウェーでも、実際の所、男性が育休を取得することに抵抗を持つ人が多いという貴重な意見を頂きました。世界的ネット記事や、ジェンダー・ギャップ指数と、現地の人のジェンダー平等についての意見は必ずしも一致するとは限らないという事から、ジェンダー平等達成への道のりは長く、根気強く取り組む必要があるということを、改めて実感しました。
自国の問題(今回で言うとgender issues, discriminationなど)について知る機会は多くありますが、他国の政府の取り組みだったり、Gender issuesで言ったらどのような問題が生じているか、それらについての意見を実際に聞くことが出来、またお互い意見交換・共有・比較することができたのが良かったです。 「自分が国のリーダーだったらどんな政策を最初にするか」というテーマでdiscussionをしたところ多くの意見が出ましたが、住んでいる国は違えど、その政策に対する意見や、問題解決の優先度など多く共通していたのがとても印象に残りました。ジェンダー平等についてはSDGsでも定義されているように重大・深刻な問題である事。また、私達にとってとても身近な問題である事を改めて実感しました。
モデレーターを務めさせていただくことができ、大変貴重な経験となりました。ありがとうございました。大勢の方がいる中で意見を集約するのは難しかったですが、グループの皆さんにご協力いただき、時間内に優先順位をつけることができました。 私は日本語母語話者ですが、日本語を母語としない方にもわかりやすく伝えるにはどうしたら良いか考えながら話すのは、予想以上に難しかったです。相手にはっきりと自分の意見を伝えることを母語を通して体験できたので、これからは英語でも正確に伝えられるよう、努力していきたいです。

 

 

 

 

 

 

 

Session7は、これで終わりになります。
今回の学びをぜひ未来へとつなげていってほしいなと願っています。

お疲れさまでした!

【Global Talk!2021-22】Session-2 UNIS/Knox ②

UNIS生との交流は、今回で3回目の交流です。

今回は、それぞれのペアで話したトピックを【SDGsのレンズを通してみてみよう】と進めていきます。
 
Zoom交流前の事前準備として、Knox生たちは、自分たちが取り上げているトピック(文化)の裏にある日本での社会問題に関して考え、それに対し相手国での現状を聞く質問を1問ずつメールで送ります。また同様に相手からは日本語で質問が送られてきます。

ただし、この質問にお互いに答え合うのはメールではなく、次のZoom交流です!
その時までに、この質問に答えられるようにそれぞれが事前に準備をしておきます。  

また、「話し合ったトピックをSDGsのレンズで見て、どのような社会問題に気づいたか」を基に、深く掘り下げて考え、Zoom交流前までにスライドを作成し投稿し合いました。 

 

投稿を終えて準備ができたら、いよいよZoom交流です!

前回と同様に、UNISのクラス時間にKnox生もお邪魔し、授業時間の中で交流(ブレイクアウトルームでのペアトーク・全体でのディスカッション)を行いました。
海洋廃棄物問題、アニメにおける男女格差、食料不足・飢餓問題、所得格差など、どの投稿も素晴らしいものでした。またそれぞれペアで提議された問題に対し、解決へ向けての考えを提言しました。

 

 

 

 

Zoomでの交流を終えて、UNISの皆さんからも、「日本語のネイティブと話せて楽しかった!」「次はもっと日本語を勉強して臨みたい。」「お互いの文化や学校生活の様子を知れて良かった。」と楽しんでくれた様子がうかがえるコメントを頂きました!

これでUNISとのSession2は、終了です。

長い交流でタスクの準備をこなしてきた皆さん、お疲れさまでした。
そしてクラスに参加させてくださったUNISの田中先生、UNIS生の皆さん、ありがとうございました!

【Global Talk!2021-22】Session-7 Harvard/Brown/Knox ①

アイスブレイクで行った「わかものことば」に続き、Harvard/Brown大学との2回目の交流は、いよいよ社会問題・SDGsへと移ります。

参加メンバーは、自国や他国のGender Issueの現状や問題点を調べ、スライドにしたものをVoice Theadに投稿し、発表しました。

Gender Issueへの取組みが遅れている国・進んでいる国を各自が取り上げ、問題点や行われている取り組みについて考えを深めました。

この投稿の共有を経て、今度は小グループでの”Gender Equality”の発表をZoomで行いました。
この発表は、3-4名の小グループにブレイクアウトルームにわかれて、実施しました。Knox生の発表時には英語、Brown/Harvard生の発表時には日本語を使用します。

ブレイクアウトルームから戻ってきたときの皆の顔がとても嬉しそうで、そのディスカッションが皆にとってとても有意義であることが伺えました。

 

開催後にもらったアンケートの意見を見てみると、参加したメンバーは、この交流で、これまでとは違った考え方や問題点に気づき、視野が広がったようでした。
これは、実際に話し合わなければ気づかなかったことでもあるので、大いに実りのある交流になったようです。

日本のGender Gap problem について学んだ事はありましたが、日本以外の問題はあまり知りませんでした。しかし、グループの発表を通して、世界で起こっている問題を学ぶことができ、とても良かったです。私が特に驚いたのが、アメリカでの育児休暇はとても短いという事です。私のイメージとしてアメリカでは育児休暇がしっかり取れて、お金も支給されるのだろう。と思っていたのでとても驚きました。
ハーバードやブラウンの学生はそれぞれ違うバックグラウンドを持っていたので様々な意見を聞くことが出来て面白かったです。
#2では、ジェンダーをテーマに一層本格的な話題を中心とした交流が出来た。相手校の生徒専攻や国籍も多様で、視点が興味深かった。
違う国の人の意見も聞くことで、自分の国とどのような違いがあるのか分かり、とても良い経験になりました!
なかなか自分の意見を英語で言語化して伝えることが難しいと感じていましたが、1時間の内に少しづつ慣れて会話ができるようになったことが嬉しかったです。同年代の海外の方と社会問題について話すという滅多にない機会で、様々な立場からの意見を聞くことができ、視野が広がりよい学びにつながりました。
今までアメリカは日本よりもずっと男女平等やマイノリティへの配慮など進んでいると考えていました。それはアメリカが多民族国家で「違い」というのに慣れていることや海外では男性もきちんと育児に関わるというのを聞いたことがあったからです。しかし今回のディスカッションで、アメリカも実は日本と同じように問題を抱えているということを知りました。このように自分の今までの考えを覆す事実を知れて本当に良かったです。

Session7の交流は、次回のJoint Conference (合同会議)へと続きます! お楽しみに。