Session10ではBrown大学の学生たちと交流をしました。
このセッションのテーマは「協力してプロジェクトを完成させる」とでもいいましょうか。10人のBrown生が各々プロジェクトのテーマを決め、それについて10人のKnox生がペアを組んでサポートをするという形で交流が進んでいきます。
10月から12月の約2ヶ月にわたる長期の中で、それぞれのペアが連絡を取り合って1対1のミーティングを重ね、12月の最終発表に備えました。つまり、Knox生からしてみれば、相手校の学生を自分のペア以外知らない状態で最終発表の全員同時交流に至るわけです。(正確には、Knox生がスプレッドシートで進捗を共有していたので見当はついたのですが、得られる情報に限界があったので自分としては不安が強かったです。)
そんなわけで、他の人たちの様子がどうであったか分からないものですから、自分のペアについて少しお話をさせてください。
私達のテーマは「同じ言語、違う表現」というもので、日本の方言について調べ、まとめることになりました。幸いに、ペアの学生は勿論のこと、私自身も全く言語学に暗いということはなく、初回交流で現代の方言に着目するという方針が固まりました。ここで豆知識ですが、言語学的に日本の方言を分析するなら日琉祖語というものから変遷を辿るのも1つの主な手段だそうです。しかし、発表時間は僅か6分。いくらでも語れそうであっても時間内に収めなくてはなりません。
そこで、私達は、「言語学という要素は少し薄めて、実際の方言を文法的に分析すればいい具合ではないか?」と考え、前述したテーマに落ち着いたのです。そして、言語学的な細かいことはペアに教わりながら、私は資料の収集と称して友達に方言で喋ったものを録音して貰いました。
そうして集めたものを聞きながら二人で日本語の文法書を片手に分析したのですが、これが一番骨が折れました。というのも、大学受験生の頃に古典文法はみっちりやったものの、現代文法を習ったのは遥か昔のことです。
みなさんは動詞の五段活用や形容動詞のルールなどを覚えていますか?久々に日本語を復習していると、「なんて面倒で複雑な言語なんだ」と思わずにはいられませんでした。(ましてや、私はこれを英語で説明することが出来ず、ペアの日本語力の高さに本当に助けられました。)
こうして、悪戦苦闘しながらも満足の行くプレゼン資料が完成し、いざ最終発表日を迎えました。
蓋を開けてみれば、どのペアも驚くほどに完成度の高いプレゼンを用意していて、自分たちの発表が見劣りしないか冷や汗をかいたものです。その中で一番印象に残った発表では、自作のアニメーションが使用されていました。イメージとしては、動画投稿サイトにある海外の方が作成した教養アニメーションが近いでしょうか。他にも、各々のテーマに従いつつも、それぞれの独創性を活かした多様な発表が多く、90分を超える長い発表大会でも楽しく聴くことができました。
今回の交流は、あくまでもKnox生がBrown生のプロモーターとして動くことを目標としていました。しかし、どちらかがもう一方に頼り切りではこのように素晴らしい発表にはならなかったと思います。これは、各発表に附随したKnox生のコメントを聴いていて共通していたように感じました。もちろん、相手との信頼関係がすぐに築けたことも、これら発表の質を基礎づけているはずです。
相手との協働に必要なことは何か、それぞれの役割は何か。そういったことを素早く把握し、行動に移すことは社会生活においても極めて大切なことですから、この体験を忘れることなく今後に活かしていきたいものです。(Takayuki. K)