【Global Talk 2025-26】Session 3 Yale × Knox

Session3では、Yale大学の4年生とKnox生で9月上旬〜12月上旬の約3カ月間交流を行いました。Zoomを通じた同時交流は全5回行われ、毎回3〜4人の少人数グループで活動を行いました。このSessionでは、それぞれの学習言語(日本語・英語)を使いながら、日常的な話題から、価値観の違い、さらには研究テーマに基づく本格的な議論まで幅広く取り組み、学習としても文化理解としても非常に深い経験となりました。ここでは、それぞれのSessionで印象に残った経験や、自分の中で生まれた変化についてまとめたいと思います。

第1回:Self-Assessment とオリジナル自己紹介

第1回の交流前には、自己評価に関するアンケートや「印象に残る自己紹介」を作成するという課題がありました。英語で面白い自己紹介を考えるのは想像以上に難しく、特にオンラインでは相手の表情や反応が読み取りづらかったため、最初はとても緊張しました。

しかし、Yale生の学生が積極的に質問してくれたり、リアクションを丁寧に返してくれたりしたことで、次第に緊張が解け、安心して話せるようになりました。また、わからない英語表現をその場で質問すると、ニュアンスまで丁寧に教えてくれたことも非常に助けになりました。初回から「間違えても大丈夫」という温かい雰囲気を感じ、今後の交流が楽しみになる良いスタートを切ることができました。

第2回:命は誰のものか・幸福度についての対話

第2回は、「命は誰のものか」「安楽死」「幸福度」といった、非常に思索的なテーマについて意見交換を行いました。事前課題として、倫理観を問う小説『命は誰のものか』と『高瀬舟』を読み込み、さらに幸福度チェックを実施していたため、普段は向き合う機会の少ないテーマとじっくり対峙する時間となりました。特に『高瀬舟』では、複数の登場人物の立場から命の価値について考え、倫理観について深く議論することができました。また、幸福度について議論した際は、抽象的なテーマを英語で説明する難しさに直面しつつも、どう伝えるかを考える良い機会になりました。

第3回:映画『おおかみこどもの雨と雪』と 「人に知られたくないこと」

第3回は、映画『おおかみ子どもと雨と雪』を視聴した上で、ハナの行動や雨・雪の選択、作者が伝えたいことなどについて日本語で意見交換をしました。Yale生の作品の読み解きが非常に鋭く、母親の生き方や価値観の描かれ方など、日本の作品に対して多角的に分析していた点が印象的でした。

後半の「人に知られたくないこと」についての英語ディスカッションでは、日本とアメリカの価値観の違いが明確に表れました。たとえば「好きな人が自分と違う国籍だった場合どうするか」という問いでは、日本側からは「家族が受け入れられない可能性がある」という意見が出た一方で、Yale生は「アメリカは多国籍社会だから特に気にならない」と答えていました。文化背景が異なれば同じテーマでも解釈が変わることを強く実感し、とても貴重な体験になりました。

第4・5回:ファイナルプロジェクト(研究・準備・発表)

後半の2回はファイナルプロジェクトの準備と発表に取り組みました。テーマは『逃げるは恥だが役に立つ』に関連する社会問題で、私たちのグループは「日米のワークライフバランスの違い」をテーマに設定しました。

これまでも学校でプレゼンテーションやグループワークの経験はありましたが、異なる文化背景を持つメンバーとともに、互いの学習言語で発表を行うという形式は初めてで、とても刺激的でした。学習段階の言語で研究内容を説明するのは難しく、準備段階では書き直しや調整の連続でしたが、メンバーと協力しながら少しずつ形を整えていきました。

最も大変だったのは、社会人のアメリカ人の方へのインタビューでした。私たちは仕事に関するテーマを設定したため、社会人にインタビューする必要があり、対象者を探すこと自体が難しく、さらにZoomで初対面のアメリカ人の方と専門的な内容を英語で話すことも大きな挑戦でした。しかし、グループのメンバーが積極的にサポートしてくれたおかげで有意義な回答が得られ、研究内容も格段に深まりました。

ファイナルプロジェクトを通じて、言語の壁があっても助け合いながら進めることで乗り越えられること、異文化の価値観があるからこそ共同研究がより面白くなること、そして議論には文化背景への理解が不可欠であることを実感しました。最終発表を終えたときには大きな達成感があり、大学の授業だけでは得られない濃い学びを得ることができました。

全体を通して感じたこと

5回のセッションを振り返ると、一番大きな変化は「言語だけでなく思考の幅が広がったこと」だと感じます。最初は英語で話すことに緊張していましたが、最後には自分から積極的に質問したり議論に参加したりできるようになっていました。また、文化の違いを知識としてではなく実体験として理解できたことは、これからの学習にとっても大きな財産になると思います。

今回の交流に参加できて本当に良かったです。今後も英語学習を続け、今回得た経験をまた別の場で活かしていきたいと思います。

(文作成:Akari N.)

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