この交流では、マサチューセッツ州立大学(UMass)の学生と「アメリカのFreedomと日本の和/心遣い」をテーマにディスカッションを行いました。交流の募集がかけられた際に、自信を持って自分の意見を積極的に伝えられるようにしてくださいと言われていたので、自分に出来るかと少し緊張していました。少し苦手意識を持っていた、自分の考えを沢山発言することを意識してチャレンジしました。
初めに、Knox生は「和/心遣い」とは何か、なぜ日本でその考え方が大切にされているのかを考える課題が出されました。UMass生はアメリカの”Freedom”について考えた上で、それぞれが自分の考え方を持ち寄って第1回目のオンライン交流が行われました。交流では、グループに分かれて話し合い、両国で重んじられている考え方の違いを理解することが出来ました。
その後、” America’s Freedom is a Lie ”というタイトルの英語の動画と、『「日本人」という、ウソ』という日本語のテキストが共有され、それらを使って学んだ上でプレゼンテーションを作る課題が出されました。このタスクは、UMassの大学生とKnox生で構成されたグループで協働するものでした。
ビデオからは、Freedomには様々な相反する概念があり(Negative FreedomとPositive Freedomなど)、それらを巡って異なる自由を主張する人々同士の議論が起こっていることを知りました。また、自由は階層化されており、社会における立場によって享受できるものが異なるということなど、Freedomに付随する様々な問題について学びました。英語のビデオは内容が難しく早口で、視聴して理解するのが難しかったのですが、グループのメンバーに疑問に思った点・気になる点を質問して学びを深めることが出来ました。日本語のテキストについてもUMassの学生から様々な質問を受け、日本の現状について改めて見つめ直す良い機会となりました。
続いて、プレゼンテーションのアウトラインを作る際には、UMass生とのメッセージのやり取りを通してフィードバックを貰うことで、内容を改善させていきました。UMass生には主に日本語の文法・単語などでアドバイスをし、お互い助け合いながらKnox生はアメリカの現状、UMass生は日本の現状について学んだことの発表の準備をしました。
そうして迎えた第2回目の同時性交流では、初めにグループで一つのスライドを作る時間が設けられました。そのテーマは、「日米両国間に立つ私たちが心がけなければならないこと」であり、日本人、そしてアメリカ人がグローバル市民として気を付けなければならないことを考えました。短い時間でしたが、それぞれのメンバーが積極的に意見を出し合いスライドを作成することが出来ました。日本人が気を付けなければいけないこととしては、「周囲と協調して空気を読むことが美徳とされているが、周りに合わせるように強制してはいけない」「多様性を認める」「自分の意見を主張できるような自身を持つ」という意見が出ました。アメリカ人が気を付けなければいけないこととしては、UMass生のメンバーが挙げてくれた、「アメリカ人の中には自国が世界の中心と考えてしまう人がいるので、もっと外国の文化を学ぼうとする姿勢が必要である」という点でまとまりました。
グループでの話し合いの時間が終わると、次は個人・グループのスライドを発表しました。個人のスライドは、それぞれの人が違った視点から自由・和を議論しており、多角的な視点を得られたことが印象的でした。ある人はアメリカで自由が重んじられてきた歴史に着目して、ある人は人種差別に注目して発表をしていました。グループで作成したスライドも同様で、自分のグループでは思いつかなかった考えを知ることができ、両国の状況について学びを深めることが出来ました。
最後は、UMassの日本語授業の先生が交流のまとめとして、学生に気付いてほしかったことをお話してくださいました。それは、アメリカと日本社会は、お互いがそれぞれもといた場所に向かうように変化しているということでした。すなわち、昔自由が重んじられており個人主義だったアメリカは、だんだんと日本のような集団主義に向かっており、集団主義的行動がよく見られる日本は、近年個人主義な考え方が普及してきているということです。アメリカ・日本どちらの考え方が良いという話ではなく、自分の国のことだけではなく他国に関心を持ち、交流を通して異文化を知ることが大切なのではないかと思いました。両国を対比させながら学ぶことで、それぞれが持つ同じ側面、同じ問題に気付くことができるのではないかと自分の中で結論付けることが出来ました。
長くなりましたが、このセッションを通じて、人はそれぞれ多種多様な考えを持っていることを改めて実感しました。それは、自分と異なるバックグラウンドを持つUMass生と話しているときに特に感じ、国際語である英語を話せるようになって、様々な国出身の人々とコミュニケーションがとれるようになることの価値を実感しました。自分では思いつかなかった意見を聞いてなるほどと思ったり、それぞれで意見を持ち寄ってまとめる面白さに気づくことができたのが、このセッションの最も大きな収穫だと思っています。メッセージを送ってもなかなか返事が返ってこないなど、グループで協働する上で大変なこともありましたが、このセッションに参加できてとても良かったです。これまで私が参加してきたセッションは、英語を使って自己紹介をしたり、会話を楽しむようなものが中心だったのですが、このセッションはそれらとは大きく違いました。これからはこのような英語でディスカッションをする機会にも挑戦してみたいと意識が高まりました。そのために、これからもグローバルトークに積極的に参加し、英語力・発言力を高めていきたいです。(M.K)